2020.7.13
私らしい自分だけの幸せを見つけよう!『私らしく生きるための東洋の智慧(連載第四回)』

「幸せ」って何だろう?
「幸せになりたい!」それはいつの時代も変わらない、私たちの普遍的な願いです。
恋愛や結婚で素敵なパートナーシップを築いたり、やりたい仕事でイキイキと働いたり、趣味を謳歌したり。幸せと一口に言っても、みなさんにとって、こんな風に生きることができたら幸せだな、と思えるポイントがそれぞれにあるだろうと思います。
大きく分けると、幸せには二つの側面があります。
ひとつは【禍福(かふく)】と呼ばれる精神的な幸福です。生き甲斐や心の豊かさがこれにあたり、主観的な幸せなので数値化することができません。
もうひとつが【成敗(せいはい)】といって、財産や地位のような客観的で数値化できる幸せのことを指します。
多くの人たちがどちらか片方ではなく、禍福と成敗のどちらもが満たされる人生を望んでいると思いますが、自分がどちらの幸せに重きを置いているかは命式によって変わります。
それを知っておくと、「なんだか人生が上手くいっていないな」と感じたときに、現実的なことを解決したり満たしたりするのを優先した方がいいのか、それとも心が満たされることを基準に選んだ方がいいのか、どちらの幸せが私の「人生の豊かさ」を上げてくれるのかが分かるのですね。
これには先天的な傾向もありますが、時間をかけて変わっていく価値観のひとつでもあります。
今、自分自身がどちらを優先させていけばよいか。それを知っておくと、人生の流れを変えていくヒントになるのではないでしょうか。
ペルソナではなく私の本質を生きよう
幸せな人生を構築していくときに、まず大切なのは「自分らしく生きているか?」「仮面の自分で生きていないか?」ということです。
四柱推命において、幸せになる最大の秘訣というのは【命式の自然さを生きること】であるといわれます。
命式の自然さを生きていると、私たちはリラックスして寛いだ状態で人生を送ることができます。
寛いだ状態とは英語でいうと“ease”ですが、毎日を緊張して生きていると“dis-ease”(=病気)、つまりは不健全でゆがみのある状態を作り出してしまうのです。
心と身体は繋がっているといわれるのも、まさにここに繋がっています。
私たちはこの世に生を受け、この世を去るまでずっと、周囲の人たちとの関係性の中で人生を送っていきます。小さい頃は両親や兄弟姉妹、学校に行くようになると友人や先生たち、そして社会に出ると上司や部下、同僚など、人との関わりなしには生きていけません。
だからこそ周りから受ける影響も大きく、その中で社会性を育み、「社会の中にいる私」というオンの顔を作り上げていきます。それがパーソナリティーと呼ばれるものです。
パーソナリティー(personality)は個性や魅力とも訳されますが、この語源は「ペルソナ」、つまりは仮面であり、それは表向きの人格でしかありません。社会の中でスムーズに生きていくために、私たちが経験から学んで作り出した性格ともいえます。
現実世界を生きていく中で、周りの人たちから様々な影響を受け、経験から学び、人格を育てて作り上げていく。そのこと自体は悪いことではなく、自分自身を成長させていくために必要なことです。
四柱推命でも、これこそが私らしい!という思い込みにしがみつかずに、変化の波に乗って自分にないものを取り入れていくことはとても大切だといわれます。それが私たちの伸びしろでもあるからです。
ですが、自分の本質を生きることなく、そこからかけ離れたパーソナリティーを中心に生きていこうとすると、やはりどこかにゆがみが出て苦しくなってしまうのです。
自分自身を思い出すこと。本質から生きること。
それは禍福も成敗も満たして真に豊かに生きていくために、最初に取り組みたい、何よりも大切なことです。
偏りを活かすこと/バランスよく生きること
多くの人たちの基本命には、何らかの偏りがあります。五行(木・火・土・金・水)のどれかが欠けていたり、ある五行が突出して多かったり。
基本命中の五行のバランスが良い人たちは、比較的安定した人生を送りやすいといわれます。例えるなら、学生時代に5教科をまんべんなくこなせたタイプです。
そして五行の偏りが大きい人たちは、苦手なこともある反面、突き抜けた生き方をするタイプ。数学は苦手だけれど英語はトップクラスだとか、勉強全般は苦手だけれど美術的な才能はピカイチだとかいうイメージですね。
学校や社会では前者のように、まんべんなく平均的に何でもできることを求められがちです。近年、教育のあり方も少しずつ変わってきていますが、まだまだ良いところを伸ばすことよりも、苦手なものを克服するということに重きが置かれやすい世の中のように思えます。
また、これを読んで下さっている世代の方は、そのような偏りをなくす教育や社会で生きてこられた方が多いと思いますので、後者のように突出した力や長所を伸ばすことを重視する世の中へと変化しつつある今、どのように生きるべきなのか、葛藤を抱えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
偏りを活かすこととバランスよく生きることは、どちらも大切。
ただ、自分らしく生きること、偏りを活かすことができているかどうかが、まずは何より大切だということに変わりはありません。四柱推命ではこれを息災法(そくさいほう)といいます。まずは自分らしい形を作り上げて、マイナスをゼロにすることです。
更にそこで完成するのではなく、また新しいプロセスが始まります。それが増益法(ぞうえきほう)です。自分にないもの、欠けているものを、人生を通して自分の中に取り入れて統合させていくのがそれです。
自分とは違う質のものを取り入れていくというのは、なかなか難しいことではありますが、沢山の人たちと出会い、関係性を育みながら生きている私たちにとって、それは誰しもに必要な学びなのだなと感じます。
変化していく「幸せ」の在り方
人生を経ていくと、「私」という本質はそのままに、価値観や生き方に変化が生まれます。これはとても自然なことで、いつしか人生のルールは変わっていきます。
若い頃は現実的なこと、物質的なことに重きを置いていた人が、次第に精神性を重んじるようになったり、結果重視だった人がプロセスを大切にするようになったり。
私たちが生まれもった質に加えて、その価値観の変化も命式や大運と呼ばれる人生の流れから読み取ることができるのですが、価値観は変化していくのだと知っておくことで、古い自分像にしがみつくことなく、「今の私にとっての幸せ」を見極めるヒントになるかもしれません。
自分らしく生きること、つまり命式の自然さを生きることは、心が寛いで幸せな状態です。
と同時に、自分の心のクセや人生における無意識のパターンでもあるので、なかなか人生が上手くいかない、幸せを感じられない原因も、命式に解決の糸口があるといえます。
命式の自然さを生きていないから苦しいのか?
それともそこからステップアップして、欠けているものを補うことが必要な時期なのか?
社会一般でいう「幸せ」と、私個人が満たされる「幸せ」の定義は同じとは限りません。ですが、私たちは一般的な幸せの価値観に縛られてしまいやすく、どこかで物足りなさや満たされなさを感じてしまいがち。
ぜひ「今の私にとっての幸せとは何だろう?」と、改めて考えてみませんか。
そして、そんな自分だけの幸せを叶えていくときに、四柱推命が助けになってくれるだろうと思います。
星川亜輝子 のプロフィール

会社員時代、セルフケアのために学んだアロマテラピーの奥深い世界に魅了され、本格的にアロマセラピストの道へ進むことを決意。
2008年から約5年間、福岡市内のリラクゼーションサロンにてリフレクソロジーや整体、ロミロミなどを通し、のべ7,000人以上のお客様のボディケアを担当。
その後、自分の今後を悩み始めたタイミングで、イギリス発祥のオーラソーマ®と再会。サロンの店長として日々奮闘する傍ら、オーラソーマの探求をスタートする。
より自分らしい生き方へとシフトさせてくれたオーラソーマの魅力、そして、体だけでなく心をケアすることの大切さをもっと伝えていきたいと、2013年5月【Kwan-Yin クワンイン】をオープン。
5周年を迎えた2018年5月、結婚という転機を迎えて自宅サロンとして再出発。
「心身両面、そして魂からの歓びと幸せをサポートする」という想いは変わらず、新たに四柱推命や陰陽五行を取り入れたメニューを提供中。
ホームページ→ https://www.kwan-yin.jp