2020.9.9
”今ここ” に心を傾けて『心を癒す花のエネルギー バッチフラワーレメディのある暮らし(連載第六回)』

いつもと違う夏が行き、いつもと違う秋がやってきます。
いつもと違うこの先は、元に戻れるのか、このままこれまでにない世界に入らざるを得ないのか、という選択を迫られているように感じる方も多いかもしれません。
過去に戻るか。
先を急ぐか。
今の私たちにとって、この選択は二者択一ではなく、どちらも必要なこと。でも、どちらに心が置かれているかは、それぞれの方の状況で違うかもしれません。
そんなとき、そのどちらにも大事なのは、「今ここ」を意識することではないでしょうか。
前の暮らしが懐かしい

過去への思いから抜け出せないときにハニーサックル
外出を控えて生活リズムが変わった。
リモートワークで家に籠りっきり。
日頃留守がちな家族が四六時中家にいて、生活が一変。
立場によって思いは違えど、生活が様変わりしたのは、だれも同じ。
早く前の生活に戻りたいと思うのももっともです。
以前普通にできていたことができないことによる、精神的な不自由感は、昔のよかったことに気持ちを向かせます。
できないからこそ、できていたことが懐かしくなる。
自分のせいではないのに、できない今を悔いてみる。
昔のことばかり思い返し、気持ちが内向きになる。
ハニーサックル(セイヨウスカズラ)は、過去に捉われ、それがよかったにせよ、いやだったせよ、そこから先に進めないときに使うレメディです。その渦中にいる限り、それをいい悪いと判断したり、そこから抜け出すことはできないので、過去の時の中に居続けます。
ハニーサックルを飲むと、よかった時だけでなく、つらい思い出さえ穏やかに振り返ることができ、過去の日々は今日のためにあったことに気づかせてくれます。
この先の未来を描くのに夢中

夢の中に生きて、それを現実化できないときにクレマチス
こんな閉塞感ある日々の中にも、今迄のペースで暮らしていたら気づかなかったような、たくさんの新しい時代へのヒントがあります。もしかすると一挙に明日が開ける大いなる発見や時代への期待を抱いている人もいることでしょう。
ITの進化を肌で感じて、実際に自分の生活を大きく変えるのに役立った。
新しい企画や事業の芽を感じて、実際に動き出した。
普通に暮らしていたら気づかなかったことがたくさんあり、自分を変容できそうに思う。
未来を思い描いて楽しいとき、その中にいると現実世界の嫌なことも忘れることができるので、夢の中で過ごすことは幸せな時間になります。
夢を広げていく時間は至福ですが、その中にいる限り夢は達成できません。
クレマチス(センニンソウ)のレメディは、夢や未来と今をつなぐ架け橋のような働きをします。
空想でしかない明日が、現実に着地するのは、夢の中から一度今に戻って、そこから足元の道を一歩ずつ歩みを進めて、自分の手で未来を作るからこそ。私たちを励ます未来予想図は、”今ここ”から始めるからこそ、現実となるのです。
過去の日々に留まっていても、未来に胸を躍らせても、どちらも今・現実のことに興味を持っていないのです。今に生きている自分と一体である感覚が損なわれているのかもしれません。
でも”今ここ”に自分が立っているという感覚を少しでも思い出すと、そこから先へ歩む力強さを取り戻すことができるでしょう。
ビフォーコロナもアフターコロナも、過去を受け止め、未来を描く糧。
私たちが、現実を見据え今を生き、そこから学ぶからこそ、ニューノーマルを作り上げることができるでしょう。
時間から切り取られた日々

現実のことに無関心、無気力な状態にワイルドローズ
一方で、震災や水害など、繰り返し襲う自然災害によりすべてを失い、まず日々を生きることに懸命な方たちもいらっしゃいます。
辛い別れや突然の喪失は、一瞬にして現実を吹き飛ばし、悲しむ間もなく、毎日明けて暮れる中で日々精一杯暮らすことだけを強いる。そのような中では、辛い現実に身を置くあまり、毎日をやり過ごすだけの状態になるかもしれません。
決して無気力でも無関心でもないけれど、気持ちが動くことがなく、そしてそれでいて極端に不幸であるとも感じなかったりします。
単に現実に起きることに無関心であれば、何かを変えたり歩みを進めたりもできず、周りとの関係性も表面的になり、心はただそこに浮いているようにあるだけ。
そんなときワイルドローズ(ドッグローズ/カニナバラ)のレメディは、生き生きとした風を吹き込み、生命を再び輝かせる働きをします。
バッチフラワーレメディは、決して辛い今日を、明るく楽しいものに激変させることはしませんが、気持ちを少しでも動かすことができれば、光の方向を目指して一歩でも踏み出す力を与えてくれるでしょう。
頭の中が心配事でいっぱい

ネガティブな考えが頭の中を巡るときにホワイトチェストナット
同じ状況にあっても、苦悩や不安が頭の中を支配して、ネガティブな考えのスパイラルから抜け出せない方もいることでしょう。
考えなくてはいけないけれど、考えても思いが渦巻くだけで、心配が心配を生み、悩みが悩みを呼ぶ。
不安の中にいる人は、とめどなく湧き上がる心配や嫌な思いに振り回され、次から次へと浮かぶネガティブな考えで頭の中をいっぱいにしています。
こういう状態は夜中によく起こるので眠れなくなりますが、日中突然そうした状況に陥り、目の前のことから意識が離れることもあります。
ホワイトチェストナット(セイヨウトチノキ)は、マロニエとも呼ばれ、ヨーロッパでは公園などにやさしい木陰を作る、人々に愛される木です。その木には小さな白い花が香り高く、円錐形にたわわに咲いていきます。花の時期は下から上へ、底辺から頂点に向かい次々と咲きます。
楽しい気持ちのときにこの花の下にいる人は、甘やかな香りとともに次への展望を開くのでしょうが、悩みを抱えているとそれにも気づかず、自分の頭の中の嫌な想念に振り回されます。
ホワイトチェストナットのレメディは、そんな疑念を頭から追い払い、”今ここ”に思いを戻し、健全に今必要なことに思考を向ける力を与えるでしょう。
”今ここ”の自分の感情を見失わずに
今を生きる私たちは、今に意識を向けるからこそ、過ちも、正解も、未来の仮説も、正しく理解することができます。
でも、過去や未来にだけ思いを向けてたり、今の着地点から物事を眺められない状態では、決して先に進むことができないのです。
バッチフラワーレメディを使うとき、「今感じている気持ち」にフォーカスして選びます。私は昔からこうだった、とか、この先こうなりたい、ということではなく、あくまでも今表面に現れた感情を扱います。
もし今の問題にフォーカスできない、そこを直視できない何かがあるとしても、その原因を無理に掘り返すのではなく、そう感じる気持ちに寄り添ってみるだけでよいのです。
”今ここ”に自分の足で、自分の感覚を感じて立つこと。
バッチフラワーレメディは、現在から気持ちが離れそうになっても、それを「今」「現在」に集中させてくれるので、そこからの力強い一歩を後押してくれるでしょう。
バッチ博士の言葉
The illness of yesterday is of yesterday , and of no interest or importance now .What we have to treat is the present state of the patient , exactly as he is at the time we see him , and even when we see him again in an further week , he is again a new patient .
(昨日の病気は昨日のもので、今は興味の対象でもなければ重要なことでもありません。私たちが扱うのは患者の現在の状態です。患者は、今目の前にいるその人そのものでしかなく、たとえまた来週会うとしても、その人は再びまた新しい患者であるのです。)
E.Bach 'Two More Essentials ' (1936) in The Original Writings of Edward Bach (1990) edited
by Judy Howard et al. p.134(訳は筆者による)
京ヶ島弥生 のプロフィール

心身の健康のために、自分で自分のこころ、感情の状態に気づき、セルフヘルプでバランスを整えることができる「フラワーエッセンス/バッチフラワーレメディ」の活用を伝え続けている、海と空のブルーが大好きな自然療法家。
東京は下町生まれ、1998年に鎌倉・七里ガ浜に移住。
2001年から、アロマセラピー、バッチフラワーレメディ、ハーブセラピー、ホリスティックヘルスなどの自然療法分野で、講座やイベントの開催、個人から企業までのコンサルテーション、商品の販売など、東京、横浜、鎌倉で場所・ジャンルを問わず活動。
東京でのハードなビジネスマン生活20年、大学教員15年、ワーキングマザー30年、介護施設での高齢者ケア、災害ボランティアなども経験。
こうしたバックグラウンドにより、子供から大人、ご高齢の方、男性女性問わず、どなたのご相談にもお応えできるプロフェッショナルなフラワー&アロマセラピスト。
○バッチ財団登録プラクティショナー・バッチ国際教育プログラム認定講師
○IFPA(国際プロフェッショナルアロマセラピスト連盟)認定アロマセラピスト
○日本ホリスティック医学協会認定生活習慣病予防指導士・ホリスティックヘルス塾インストラクター
○
有限会社フロスヴィータ 代表取締役
ホームページ→ http://www.flosvita.co.jp
Facebook→ https://www.facebook.com/flosvita/