2020.9.23
束縛を解き、緩やかに前進する『心を癒す花のエネルギー バッチフラワーレメディのある暮らし(第七回)』

私たちの身の回りには、常にたくさんの情報があります。
そこには正しいことも、正しくないことも、雑多に飛び交っています。そして、知りたいことも知りたくないことも、知らなくていいこともあります。それは言葉を介して届くこともあれば、場の空気が伝えることもあるでしょう。
日々否応なく処理し切れないほどの量の情報に、一喜一憂しているのも、私たちの毎日です。そこでは、常に正しいこと、正しくないことの選択を迫られているように感じます。
間違ったことは許せない、それを目にしたら正さないわけにはいられない、という思い。一方で正義を振りかざす人にも、息苦しさを感じる。
情報の洪水が私たちを疲れさせています。
斜めから眺める過ち
正しくないことを見つければ、正そうとするのが人の常。
誰かの過ちを批判的に見ていると、その人のやることなすこと正しくないように思える。果てはそれが気になって自分の仕事や生活も影響を受けてしまい困り果てる。相手の事情や背景を思う余裕もなくなり、ダメな人、とネガティブにしか捉えられなくなる。
自分が正しいとしか思えないと、知らない人のちょっとしたSNS上の発言にも憤ったり、気にかかって仕方なくなることもあるかもしれません。
でも、批判的な姿勢で斜に構えていると逆側は見えないものです。

他人のことに批判的になりがちなときにビーチ
ビーチ(ヨーロッパブナ)のレメディを飲むと、自分の周りのことに対するこだわりを和らげ、人に寛容になることができます。曖昧な物事の正誤を無理に問うより、いったん客観的に受け入れて批判的な感情を流すことで、気持ちが楽になります。
ビーチは、大きくなり林を形成すると、地面に光が届かないくらいになるので、他の植物の生育も妨げたりします。一方で自分は強い陽の光が苦手で、オークのような大きな木がビーチの上に日陰を作るお陰で繁茂できたりするので、物事の両面、上も下も、右も左も、捉えることができればさらなる成長につながることを教えてくれているようです。
上から抑えつける支配
正解を知る人は、そこにたどり着く早道を知っているから、余分な動きを制して無駄のない道を示します。ついていけるうちは良いですが、周りはその人ほど有能ではなく、時間がかかったり間違えたりもするでしょう。そうした時でも違うやり方や考え方を認めず、ひたすら自分に従うよう強制したくなります。
そんな強いリーダーシップを、強引に行使するだけでなく、柔軟に使うことができれば、自分自身も周りの人も苦しむことなく、共に成果を手にすることができるでしょう。正しさを力で押し付けなければ、正解は自ずと道の先に現れてくるのです。

正しいことに力ずくで従わせようとするときにパイン
本来は、賢く人を率いる力があるこの人が、ネガティブな状況に陥らないよう救うには、バイン(ヨーロッパブドウ)のレメディがあります。
バインがポジティブな状態にあるこの人は、先頭を切って迷いなく前進する、頼れるリーダーであることでしょう。
バインはローマ帝国が征服した地に次々と植えたことで、ヨーロッパ中に繁殖した植物として知られます。葡萄の蔓は縦横無尽に周りに絡みつき広がりますが、その強い生命力と環境への馴染みやすさ、そしてたくさんの豊潤な実をつける姿は、他の植物にない強さを表しています。
協調という名の束縛
世の中には正義や信義など、譲れない大事な思いがあります。
それを信じて推し進めたいと思えば思うほど、まわりの人への働きかけも熱さを増しますが、すべての人がついてくるとは言えないこともままあります。
無理に正しい方向に向かせようとしても、タイミングや他の理由で同調できない人もいたりしますが、必死に頑張る人からは、行動を起こさないことさえ誤りに見え、より熱心に周りを鼓舞したりします。

自分の信念を人にも強要してしまうときにバーベイン
バーベイン(クマツヅラ)のレメディは、熱狂的な思いを一度クールダウンさせ、適度な理想主義の位置に置き換えてくれます。
正しいからといって、誰にも同じ考えを強いるのではなく、“思い“ではなく“歩み“を共にするからこそ、そこに“共感“が生まれます。そして、その共感によって豊かな心の連帯が確かなものとなっていくことにも気づかせてくれるのがバーベインなのです。
自分が自分を縛る
正しいことを完璧に遂行したいと願い、そのことに一生懸命になってしまうことがあります。
自分の中でそれを追い求めるので、遊ぶことや気を緩めることも許さず、ひたすら高い目標に向かって進んでいきます。必要があれば計画を変えたり、他の方法を探ることがあっても良いのに、自分に遊びを許すことができず、目標に向かって何かを犠牲にしてまで歩み続けます。
人に強いることはないけれど、「ねばならない」思いが強過ぎて、1人孤独に歩む苦しい生き方かもしれません。

常に完璧を目指し、自分自身に妥協を許さないロックウォーター
ロックウォーターは、38種のレメディの中で、唯一、花ではなく、自然の湧き水で、それだけを日の光にあてる太陽法で作られます。水は本来、流れや容れ物で柔軟に形を変える、自由度の高い物質。
ロックウォーターのレメディは、頑なさを溶かし、水本来の質を思い起こさせてくれるので、必要な流れに乗り、淀みなく先に進む力を与えることでしょう。
こだわりを解くと、歩みは軽く柔らかに
ここにあげたようなタイプの人や、一時的にでもそのような気分に陥っている人は、真理や正義を知り、正しいことを貫く勇気があり、それを活かすことができる能力を持った人たちです。
でも、見方を変えれば教義や信義で縛ろうとする、支配者のようにも見えます。
正しいことを追及すること、そしてそれを守ることは大事。でもこだわり過ぎ、押しつけすぎは、自分の思考や行動さえ縛る。
人を縛ることも、自分を縛ることも、心の自由を奪うことに他なりません。
そこまで立派ではない私たちの日常でも、正しさの追求が形を変えて自分や周りを縛ってしまっているかもしれません。息苦しさはそんな自分の頑なさが作っていたりします。
自然界の植物や動物たちのように、自分の生活や生命の維持に必要な情報だけ受け取ってシンプルに暮らしていければ良いのでしょうが、人には感情や思考によって、情報を複雑に受け取れる能力があります。
特に私たち現代人には、“IT(Information Technology)”、情報技術の発達によって、知らないところの知らない人の情報が、さらにそこに感情と共にたくさん届けられるようになりました。
「知りたい、知りたくない」も、「正しいと思う、正しくないような気がする」も、私たちが持つ感情のひとつ。正しいかどうか、だけでなく、何か情報に触れた時の感情にも目を向け、まずは自分で一呼吸入れること。
その時にバッチフラワーレメディが手元にあれば、穏やかで緩やかな歩みでも、迷うことなく目指す方向に踏み出せることでしょう。
バッチ博士の言葉
私たちは個人感情を離れて、正しいことと間違っていることを判断し、親族や友人たちの前でも恐れずに行動することができなくてはなりません。外の世界の英雄で、家のなかの臆病者が、私たちの間になんと多いことでしょう!私たちが自分の「運命」を実現させるのを妨げようとして、愛と優しさを装ったり、誤った義務感に訴えたり、実に巧妙な手段が使われますが、私たちを奴隷にし、私たちを他人の願いや欲望に従って行動する囚人にしてしまうような訴えは、全て毅然として無視しなければなりません。
エドワード・バッチ「なんじ自身を癒せ」(1930)
『バッチ博士の遺産』所収(2012)バッチホリスティック研究会・訳・刊
京ヶ島弥生 のプロフィール

心身の健康のために、自分で自分のこころ、感情の状態に気づき、セルフヘルプでバランスを整えることができる「フラワーエッセンス/バッチフラワーレメディ」の活用を伝え続けている、海と空のブルーが大好きな自然療法家。
東京は下町生まれ、1998年に鎌倉・七里ガ浜に移住。
2001年から、アロマセラピー、バッチフラワーレメディ、ハーブセラピー、ホリスティックヘルスなどの自然療法分野で、講座やイベントの開催、個人から企業までのコンサルテーション、商品の販売など、東京、横浜、鎌倉で場所・ジャンルを問わず活動。
東京でのハードなビジネスマン生活20年、大学教員15年、ワーキングマザー30年、介護施設での高齢者ケア、災害ボランティアなども経験。
こうしたバックグラウンドにより、子供から大人、ご高齢の方、男性女性問わず、どなたのご相談にもお応えできるプロフェッショナルなフラワー&アロマセラピスト。
○バッチ財団登録プラクティショナー・バッチ国際教育プログラム認定講師
○IFPA(国際プロフェッショナルアロマセラピスト連盟)認定アロマセラピスト
○日本ホリスティック医学協会認定生活習慣病予防指導士・ホリスティックヘルス塾インストラクター
○
有限会社フロスヴィータ 代表取締役
ホームページ→ http://www.flosvita.co.jp
Facebook→ https://www.facebook.com/flosvita/