2020.12.16
自分を責めすぎないで『心を癒す花のエネルギー バッチフラワーレメディのある暮らし(連載第十三回)』

失敗を恥じる。
うまくいかないと自分の能力を疑う。
そんな謙虚さは美徳だし、それあってこそ、次の成長がある。
謙虚な人にとって、それを失った態度は、驕りに映るのかもしれません。
でもその謙虚さ、謙譲の気持ちが行き過ぎて、自分を自分の鎧の中に押し込めてしまうと、そこから外に出ることができなくなります。
うまくいかない理由を自分の中にしか求められなくなると、ネガティブなスパイラルに入り込んでいくだけのようです。
行き止まりは、本当はその先にある風景さえも見えなくします。
がっかりは失望に、失望は絶望に
ちょっとしたことでも、容易にがっかりする癖がついていませんか?
日常的なできごとに傷ついて、失敗を恥ずかしいと思ったり、情けないと感じる。
小さなつまづきであっても、考えれば考えるほど、自分で問題を大きくして、立ち直れない気分にしてしまっているのかもしれません。
がっかり続きだと、良くなる兆しが感じられなくなり、頑張ることを放棄したくなるのは当然です。
でも、はたから見ると大きな流れでは好転しているのに、本人の落胆が、それを気づかなくさせているだけなのかも。
その状態は、単なる落胆さえも失望に変えてしまうから、もはやそれは「やっても無駄」、という絶望的な諦めにもなってきます。

失望、落胆を感じるときにゲンチアナ
「ゲンチアナ(リンドウ)」は、高地や厳しい地にもしっかり育つ、世界中に180種類くらい見られる愛らしい植物です。
バッチ博士は、その中でも毒性がなく、比較的身近に咲く青紫色のリンドウを選びました。
ゲンチアナのレメディを飲むと、落ち込んでいた気持ちから、困難なことも諦めず追い続けることができる感覚に転換したように感じるでしょう。
もしかすると、落ち込んでいたことさえ忘れて、もう一度チャレンジする静かなやる気に満たされるかもしれません。
日常に起こるほんの小さなつまずきでも、容易にはくつがえせそうにない大きな失敗や挫折でも、自分の意識が作る見えない壁を取り除き、乗り越える勇気を取り戻させてくれるのが、ゲンチアナです。
「根拠のない自信」を笑う前に
「自信がない」という言葉を、とてもよく、簡単に使っていませんか?
しかも、その言葉が表すこと以上に、それを口から発すると、劣等感はそのひとが物事にチャレンジすることを阻む最大のブレーキに変わります。
自分はイケてない、周りの人よりダメだと思う。
やっても失敗するし、絶対成功しないと思う。
こんな思いをそのままにしておくと、やる前から失敗を恐れるようになるので、リスクも冒さないし、強い思いで何かに臨むこともなくなるかもしれません。
自分で自分の能力に制限をかけるから、いつの間にか挑戦を忘れてしまうのです。
自信がないことはやらないから、いつまでもできないだけなのに。
できるかできないかは、やってみないとわからないのです。

自分に自信がないひとのためのラーチ
「ラーチ(ヨーロッパカラマツ)」のレメディは、自信がない状態でも、まずはやってみよう、という意欲を呼び起こしてくれます。
2滴飲むだけで、自信のなさはどこかに置いて、気がついたらチャレンジしていることでしょう。
それは普通に足を前に出して歩みを進めただけのことでしかなく、力ずくで無理な挑戦をしたからではないからです。
自分の能力は、目に見えるものだけでなく、潜在能力の中にこそあるのだから。
だからこそ、一歩踏み出すことでそれが磨かれ始める実感を持つことができるのでしょう。
「ごめんなさい」が口癖のひとに
うまくいかなかったことの原因を自分に求めて、自分を責める。
時にはひとが起こした間違いさえ、自分のせいと責め続ける。
自分の努力やそれによって嬉しい結果が出ても、決して満足できず疑ったり。
うまくいったことにも、もっとよくできたはずなのに、と悔いているのでしょうか。
ある意味、責任感が強い人には善と思えるこの意識は、過剰になりすぎると、自分を縛るネガティブな感情になってしまいます。
自分の中にだけ置かれた罪の意識は、重すぎると自分への攻撃になってしまいます。
そしてそれが高じて、人の責任まで自分のこととすることは、自分と人との境界を曖昧にすることでもあるでしょう。
自分の範疇を越えた自責の念は、問題のありかをわかりにくくするので、むしろ無責任といえるかもしれないのに。

自分を苦しいくらいに責めてしまうときにパイン
「パイン(ヨーロッパマツ)」は、その花粉が雄花を重くし、雌花の準備ができたとき、受粉という次への世代への期待に、風を待ちます。
深く根を下ろす堂々たる樹木が、軽やかに風と交流するその姿は、自分の責任の全うは、決して自分だけで完結するものではないことを象徴するかのようです。
そのタイミングを待って作られたパインのレメディは、行き過ぎた責任感や重い自責の念を和らげてくれます。
パインの香りが深呼吸を誘い自分の内面を緩めてくれるように、自分自身を赦し罪悪感を払拭して、自由になった感覚を味わえることでしょう。
落ち込みの理由探しは次の憂うつを招く
別に落ち込む必要がないときなのに、なぜか憂うつに感じるとき。
こうしたことは理由もなく突然襲ってきて、説明もつかない。
こんな気分だと、楽しくするとか、明るく振る舞うということも無理だと感じる。
時にはそれが高じて絶望的な気持ちになったりもする。
実はこうしたことは誰にでもいつでも襲ってくるのです。
こういう感情を思い浮かべると、楽しみにした遠足の朝に、晴れているしお弁当もおいしそうなんだけど、なんとなく気が乗らない自分に気が付いた小学生の時を思い出します。
こんなときは、理由を突き詰める前にマスタードのエッセンスを2滴。
この状態は、突然重い緞帳が降りて暗転したとか、急に霧が深く立ち込めてきたようなことと同じと言えます。
マスタードはそれをスルスルと上げて光を届けてくれるので、落ち込んでいたことさえ忘れてしまうかもしれません。

わけもなく憂欝な気持ちを感じたらマスタード
「マスタード(野生のからし菜)」のレメディは、理由もなく落ち込んだり、憂うつな気分に襲われたときに使います。
人は落ち込むと、その理由を探そうとします。
「幸せなはずなのに、なぜ?」という言葉をよく聞くことがあります。マリッジブルー、マタニティーブルーなども、こうしたことかもしれません。
最初は、単に疲れかしら?とか、気のせいでは、と思っているのに、幸せを喜べなかったり、思い通りに事を進められない自分を悔いたり責めたりしているうちに、大きな憂うつから抜け出せなくなってしまうこともあるでしょう。
気分が落ち込むことは、誰にでもあります。
だから、自分を責めたり、問題を追及する前に、とにかくまずマスタードを飲むことが、一番の解決策です。
マスタードの金色に輝く可憐な花は、霧の向こうにほの見える、光のような存在であり続けて、あなたを助けます。
軽やかな足取りで進もう
何でもかんでも、自分のせい、とすることは、自分で解決すればよいだけと思う点で、問題を簡単にできるように感じます。
でも実は、そのことが感情をさらに複雑に絡まった状態にしてしまいます。
自分が感じることは、全て自分の外の環境との関わりから生まれています。
そこで起こった問題に対する感情を自分の中に閉じ込めることは、自分の能力や責任や失望感をほどいていく糸口を、むしろ見えなくして、結果自分自身を問題から遠ざけてしまいます。
自分に失望したり、だめだと思ったら、まずはここに紹介したレメディを飲んでみてください。
重い気持ちを軽やかに。
解決策を深く考えるまでもなく、それは既にふと浮かんでいることいるにも気が付くことでしょう。
バッチ博士の言葉
私たちが誤りとか悪とか呼んでいるものは、真実を言えば、場違いな所に置かれた善であり、それゆえ純粋に相対的なものです。さらに私たちの理想追求の基準もまた相対的であることを覚えておきましょう。
『なんじ自身を癒せ(Heal Thyself)』エドワード・バッチ(1930)
『バッチ博士の遺産』所収(2012)バッチホリスティック研究会・訳・刊(P.22)
京ヶ島弥生 のプロフィール

心身の健康のために、自分で自分のこころ、感情の状態に気づき、セルフヘルプでバランスを整えることができる「フラワーエッセンス/バッチフラワーレメディ」の活用を伝え続けている、海と空のブルーが大好きな自然療法家。
東京は下町生まれ、1998年に鎌倉・七里ガ浜に移住。
2001年から、アロマセラピー、バッチフラワーレメディ、ハーブセラピー、ホリスティックヘルスなどの自然療法分野で、講座やイベントの開催、個人から企業までのコンサルテーション、商品の販売など、東京、横浜、鎌倉で場所・ジャンルを問わず活動。
東京でのハードなビジネスマン生活20年、大学教員15年、ワーキングマザー30年、介護施設での高齢者ケア、災害ボランティアなども経験。
こうしたバックグラウンドにより、子供から大人、ご高齢の方、男性女性問わず、どなたのご相談にもお応えできるプロフェッショナルなフラワー&アロマセラピスト。
○バッチ財団登録プラクティショナー・バッチ国際教育プログラム認定講師
○IFPA(国際プロフェッショナルアロマセラピスト連盟)認定アロマセラピスト
○日本ホリスティック医学協会認定生活習慣病予防指導士・ホリスティックヘルス塾インストラクター
○
有限会社フロスヴィータ 代表取締役
ホームページ→ http://www.flosvita.co.jp
Facebook→ https://www.facebook.com/flosvita/