2021.3.22
人を惹きつけて止まない魅力を~土タイプの特徴『私らしく生きるための東洋の智慧(連載第十回)』

前々回に引き続き、五行タイプ論をお伝えします。
今回は第三回【土タイプ】についてです。
山である【戊】と畑を表す【己】
土タイプの人とは、日干に「戊(ぼど・つちのえ)」または「己(きど・つちのと)」を持っている人たちのこと。
日干がいずれかでなかったとしても、季節の変わり目である土用に生まれた人たちは、土のエネルギーの影響を強く受けています。ぜひ今回の記事も参考になさってください。
干支暦でいうと、土用生まれの人たちは以下の時期に生まれた人を指します。
◎未月の一部(陰暦6月/7月20日頃~8月頭まで)
◎戌月の一部(陰暦9月/10月20日頃~11月頭まで)
◎丑月の一部(陰暦12月/1月20日頃~2月頭まで)
各月の細かい区切りは年によって異なりますので、下記のサイトでご確認を。
こちらでは日干も調べることができます。
★干支カレンダー★
https://keisan.casio.jp/exec/system/1189949688
存在感のあるカリスマ的存在【戊】
五行の土、その中でも陽である【戊】とは、山を表しています。
「山」と聞いて、みなさんはどんな山をイメージするでしょうか?
多くの人たちがピクニックに出掛ける、新緑や紅葉が美しい山でしょうか。それとも、登山家たちが目指すような険しい高山でしょうか。
日本のシンボル的存在である富士山を連想される方も多いかもしれません。
大地にそびえ立つ山は360度、どの方向からでも見えますね。そんな風に、日干戊の人は強い存在感を持っています。
華やかでセンスがよく、どっしりとした頼りがいのある印象を与えるでしょう。カリスマ的な存在の人も多いかもしれません。
ちょっぴり見栄っ張りな一面もありますので、自信過剰になってしまったり人に尽くし過ぎたりしないようにご注意を。
山が場所を移動する、なんてことはあり得ませんから、自分自身を売り込むように積極的に行動するやり方はあまり向きません。それよりも「戊さんがいるところに人が集まる」ように、良い意味で受け身であるのが戊さんらしさ。
だからこそ、まわりに人が集まってくるような存在であるために、人を惹きつける魅力を磨いていくことが必要だといわれます。
日干が戊の人は、他の五行と同様に、生まれた季節によって与える印象が異なることがあります。
春や夏といった気候のよい時季に生まれた日干戊さんは、みんながレジャーで集まるような「楽山」。社交的で人との関わりが多く、大らかな人が多いでしょう。
対して、秋の深い時期や冬に生まれた戊さんたちが象徴するのは「霊山」や「神山」。過酷な環境の冬山に進んで登ろうとする人は少ないかと思いますが、登山家の人たちにとっては、冬の険しい山の頂上に辿り着くことは憧れです。
そんな風に、秋・冬生まれの日干戊さんは、他の人にはない独特な魅力を持っています。マニアックなものを好む人が多く、同じような嗜好の人たちがそこに集まってくるのです。
ですので、同じ日干戊だとしても、生まれた季節によって魅力は異なります。
社交的な春・夏生まれの戊さんを見て、秋・冬生まれの戊さんが羨む必要はないし、逆に春・夏生まれの戊さんが、個性的な秋・冬生まれの戊さんを目指さなくてもよいのです。
とはいえ、以前こちらのコラム記事でお伝えしたように、私たちは人生の中でいろいろな季節を体験しますので、今どの季節を生きているかによって、自分の中にあるどの一面が表現されるのかが変わります。
自分のことを内向的だと思っていた人が、社交的な一面を磨いていく時期だってあるのです。もちろん生まれもった基本的な質はそのままに。
戊の人たちはこれを機会に、今の自分にはどんな魅力があるのか、振り返ってみたり周りの人たちに聴いたりしてみてはいかがでしょうか。
人・物を生み出し育む力をもつ【己】
戊に対して、陰の土である【己】は「畑」を表します。
畑は山と違って平らな土地ですので、日干己の人は決して目立つ存在ではありません。常識人で庶民的な人、という印象を与えます。
ですが、コツコツ努力する力はピカイチ!真面目で粘り強く、また謙虚でもありますので、まわりからの信頼も厚いでしょう。
学ぶことが大好きで、頭のいい人が多いことも日干己さんの特徴。土が水を吸収するように、知識をグングンと吸収します。知識であれ物であれ、収集癖がある己さんも。
自分自身が主役になる場面は少ないかもしれませんが、己=畑は農作物を生み出しますよね。つまり日干己さんは、「自分が何を生み出し、どんな風に育んだのか?」によって、その真価が問われます。
生み育む対象は、人であっても物であっても構いません。
職業であれば、講師やコーチのように誰かを育てる立場や、プロデューサー的な立ち位置の仕事が向いているでしょう。
縁の下の力持ちという言葉がありますが、日干己さんはまさにその言葉が似合う人。影の実力者として、まわりから一目置かれているかも。
己は畑であり土地で、どこまでもフラットに広がっている風景が想像できるかと思います。
そんな風に、日干己さんのまわりにはいつも沢山の人たちが、あなたを慕って集まってきます。信頼の厚さや親しみやすい雰囲気に、多くの人が惹かれるのです。
交際範囲が広く、どんな人でも受け入れる力を己さんは持っています。
その反面、実は十干の中で一番の頑固者。
土地の表面はフカフカで柔らかくても、深く掘っていくほどに土はどんどん固くなっていきますね。
そのように一見、温厚で柔和に見える日干己さんですが、穏やかさの奥には強い意志や考えを持っていて、怒らせてしまうととても怖いのです。譲れないマイルールを持っていて、それを踏みにじられることが一番許せないのですね。
パートナーや家族、友人や同僚、上司など、身近に日干己さんがいる場合、相手の譲れないものをよく理解してあげることが上手く付き合う秘訣でしょう。
そんな日干己さんが成長するためには、多種多様な人たちと広く交流を持つこと。
いろんな人たちから影響を受けて自分を洗練させていくことで、器の大きさを磨いていきましょう。
また大器晩成型なので、なかなか認められずにもどかしさを感じることもあるかもしれません。ですが、あなたの実力を、そして努力している姿を、見ている人は見ています。
決して一気に結果を出そうとせずに、日々積み上げていくことを大切に。
生まれもった質を洗練させていく
どの五行にもいえることですが、大切なのは自分の質を洗練させることです。
日干が戊でも己でも、乾いた土は良い土だとは言えません。水を含んでいて栄養をたっぷりと蓄えた、よく耕された土地ほど生産性が高い。これを人物像に当てはめると、魅力に溢れてまわりに愛される人柄である、ということです。
他の十干と違って、山(戊)も畑(己)もその場所から自由には動けません。ですので、土タイプの人たちは良い意味で受け身であることが「らしさ」です。
そして日干戊さん・己さんを頼って、まわりに沢山の人たちが集まってくるというのが理想の在り方だといえます。
人を惹きつけて止まない戊さん・己さんであるためには、求められる役割に応える力を磨いていくことが忘れてはならないポイント。
そうすることで、ますます多くの人たちに愛を与えることのできる存在に、そして愛される存在になれるでしょう。
星川亜輝子 のプロフィール

会社員時代、セルフケアのために学んだアロマテラピーの奥深い世界に魅了され、本格的にアロマセラピストの道へ進むことを決意。
2008年から約5年間、福岡市内のリラクゼーションサロンにてリフレクソロジーや整体、ロミロミなどを通し、のべ7,000人以上のお客様のボディケアを担当。
その後、自分の今後を悩み始めたタイミングで、イギリス発祥のオーラソーマ®と再会。サロンの店長として日々奮闘する傍ら、オーラソーマの探求をスタートする。
より自分らしい生き方へとシフトさせてくれたオーラソーマの魅力、そして、体だけでなく心をケアすることの大切さをもっと伝えていきたいと、2013年5月【Kwan-Yin クワンイン】をオープン。
5周年を迎えた2018年5月、結婚という転機を迎えて自宅サロンとして再出発。
「心身両面、そして魂からの歓びと幸せをサポートする」という想いは変わらず、新たに四柱推命や陰陽五行を取り入れたメニューを提供中。
ホームページ→ https://www.kwan-yin.jp