2021.3.24
笑顔と涙とに揺れる心に、アグリモニー『心を癒す花のエネルギー バッチフラワーレメディのある暮らし(連載第十九回)』

「いつも笑顔で明るい」と言われる私でも、辛いことはある。
「悩みなんかなくてうらやましい」と言われても、心の底で苦しんでいるときもある。
顔で笑って心で泣いて、ができているうちはよいけれど、自分の心の置きどころがわからなくなってしまったら?
常に楽しく、明るい毎日でありたい
日々の生活は、いつでも楽しい方がいい。
明るく陽気に、笑って暮らすことは、心もからだも健やかであるための基本です。
そうはいっても、心配ごとや争いごと、心を覆う暗い出来事に直面するのも、私たちの日常です。
そんな時頼れるのは、明るく元気に場を盛り上げてくれる人。
いつも笑顔を絶やさず、嫌な顔を見せたりしないので、安心していられます。
そんな人たちは、悩みは何もないのでしょうか?人前にいるとき、多少の辛いことがあっても顔に出したくない、そんなことを表情に出すのは場を乱すからよくない、と思うから、多少のことは顔に表さない方が多いでしょう。
多少の性格的な違いで、そうした心配が顔に出やすいか、それを覆い隠して頑張れるか、という程度の差はあるにせよ、「人前では明るくしていること」は、社会生活を営む上で必要とされることだという通念が働いているように思います。
あるいは、人間関係にありがちな、ちょっとしたいさかい。きっかけは小さなことでも、口論や暴力沙汰になってしまうこともあります。
当事者にしてみると我慢ならなくて正当な反応をしているつもりでも、その場に居合わせた人は、その状況に驚いたり嫌な気分になるので、その場にいることさえたまらなくなることがあります。
そうしたとき、心優しい人は、ちょっとでも場を和ませようと、笑い話をしてみたり、話を変えようと必死になったりもします。
だから、みんな、”表面上”だけでも、明るく、困ったこともやり過ごす術を身に着けて大人になるのかもしれません。
争いごと、暗いことを避けては通れない
でも、困ったこと、悩ましいことは、自分の力で解決していかない限り、目の前からなくなることはありません。
特に明るく場を盛り上げるタイプの人は、本音はそうした苦しい場にいること自体が嫌で、そこから早く抜け出たいと思うから、問題を直視せず、見えている景色を変えることに必死になります。
陽気で明るてユーモアのセンスもあって、みんなの盛り上げ役。家でも学校や職場など、どこでも”愛されキャラ”で、その中心にいる人は、実は平和な空気の中にいるのが好きなので、自分の居場所を楽しいことで埋め尽くそうとします。でも、もし自分自身が問題を抱えて落ち着かなかったり、心やからだに不安なことがあると、そのことで周りが自分を心配したりするのを避けたいので、悩みや問題を冗談のネタにしたり、笑い飛ばして隠すことでその場をやり過ごそうとします。
辛そうな様子、悲しそうな顔を人に見せることも、周りの人に嫌な思いをさせてしまうと考えるから、その不安が大きくなりすぎると、時にハメを外すくらいに食べたり、遊んだり、お酒を飲んで発散したりするかもしれません。
この状況が高じると、それをしないではいられなくなり過食やアルコール依存、ドラッグ中毒など中毒的なことに陥る危険性も秘めています。
周りに心配をかけないで自分だけで問題を解決しようとすればするほど、心の中の平和は失われていくのです。
真の明るさの中で過ごすために
アグリモニーは、争いごとが嫌いで、いつも明るい雰囲気の中にいたい人のためのレメディです。
自分のいいところは、明るく陽気なところ、と思っているから、辛いときも楽しいことばかり追い求めようとしてしまったり、自分に無理を強いて悲しい顔の上に笑顔の仮面を貼りつけています。
自分の問題も、最初は軽く捉えてやり過ごすことができますが、それを直視して放置して見ないようにしていると、どんどん大きくなって、抱えきれなくらいに感じるかもしれません。
表面上の明るさと内面の暗さの両極端の間を行き来して、問題が解決できないほどになる前に、アグリモニーでそのアンバランスの振り子を収めて、ニュートラルな状態に戻していきましょう。
アグリモニーは、自分の目を周りの様子ではなく、自分自身の問題に向けることで、自分の内から発する真の明るさと、周囲との調和を取り戻させてくれます。
太陽の光を繊細に受け止める花
アグリモニーは、1930年8月、バッチ博士がイギリス東海岸のクローマーに滞在していたとき、クローマーから2キロほど西のイーストラントンの散策中に発見されました。
盛夏、7月から8月に香りの良い花が、茎の周りを円錐形に取り囲んで咲きます。
和名ではセイヨウキンミズヒキと呼ばれ、水引のように細く長く立ち上がり、その花は金色に光るように愛らしい色合いです。
日本のミズヒキはタデ科ですが、このアグリモニーはバラ科の植物なので、花穂の中のひとつひとつの花を見ると、野バラに似た、5弁の花びらが健気に寄り添って咲いています。
でも植物全体の姿をみると、細い茎や、葉は細かな毛に覆われ、感受性の高さ、繊細さを感じさせます。花咲くときの勢いが、周囲からの影響に敏感な本質を隠しているかのようです。
鮮やかな黄色の花は太陽に焦がれて上へ上へと咲いていくので、レメディにはそのよく花開いた穂先を使います。
花言葉「私の感謝の気持ちを受け取って」にも、そんな献身的で周りとの調和を大事にする思いが表されているのでしょう。
新月で見えなくなる月も、満月の時には周りを圧倒するような明るい光を放つように、明るさは暗い面を知るからこそ、より輝きを感じさせてくれます。
苦悩に蓋をして見えないように隠すのではなく、そのことも直視した先には、アグリモニーの金色に輝く花が、あなたを真の明るさに導くように、きっと待っていることでしょう。
バッチ博士の言葉
平和を愛し、愉快で陽気、かつ、ユーモアのある人で、口論や喧嘩が嫌いで、人に合わせるために自分を犠牲にします。
一般的に、精神的、肉体的に問題を抱え、苦しんだり、落ち着かない気持ちでいるのですが、冗談を言ったり、ふざけたりして、それを隠し、とても良い人のように見られます。しばしばアルコールやドラッグを過度に飲用し、自分自身を高揚させ、陽気になることで試練に耐えようとします。
『トウェルブヒーラーとその他のレメディ』エドワード・バッチ(1936)
『バッチ博士の遺産』所収(2012)バッチホリスティック研究会・訳・刊
京ヶ島弥生 のプロフィール

心身の健康のために、自分で自分のこころ、感情の状態に気づき、セルフヘルプでバランスを整えることができる「フラワーエッセンス/バッチフラワーレメディ」の活用を伝え続けている、海と空のブルーが大好きな自然療法家。
東京は下町生まれ、1998年に鎌倉・七里ガ浜に移住。
2001年から、アロマセラピー、バッチフラワーレメディ、ハーブセラピー、ホリスティックヘルスなどの自然療法分野で、講座やイベントの開催、個人から企業までのコンサルテーション、商品の販売など、東京、横浜、鎌倉で場所・ジャンルを問わず活動。
東京でのハードなビジネスマン生活20年、大学教員15年、ワーキングマザー30年、介護施設での高齢者ケア、災害ボランティアなども経験。
こうしたバックグラウンドにより、子供から大人、ご高齢の方、男性女性問わず、どなたのご相談にもお応えできるプロフェッショナルなフラワー&アロマセラピスト。
○バッチ財団登録プラクティショナー・バッチ国際教育プログラム認定講師
○IFPA(国際プロフェッショナルアロマセラピスト連盟)認定アロマセラピスト
○日本ホリスティック医学協会認定生活習慣病予防指導士・ホリスティックヘルス塾インストラクター
○
有限会社フロスヴィータ 代表取締役
ホームページ→ http://www.flosvita.co.jp
Facebook→ https://www.facebook.com/flosvita/