手放すことを教えてくれるチコリー『心を癒す花のエネルギー バッチフラワーレメディのある暮らし(連載第二十回)』

2021.4.7

  • twittertwitter
  • facebookfacebook
  • lineline

京ヶ島弥生 ( フラワー&アロマセラピスト )

フラワー&アロマセラピスト。心身の健康のために、自分で自分のこころ、感情の状態に気づき、セルフヘルプでバランスを整えることができる「フラワーエッセンス/バッチフラワーレメディ」の活用を伝え続けている、海と空のブルーが大好きな自然療法家。

正しいこととはなんでしょう?

自分が知っていることのなかでも、正しいこと、譲ってはいけないこと、一番大事なこと。

そうしたことは、特に自分と関わる大事な人たちには、伝えるし、手助けするし、知らないなら教えてあげたい。

おせっかいと思われても、きっとあとで感謝されることには、とにかく思いやりを持って、尽くしたい。

でもふと、聞いてる?わかってる?感謝してる?と思ったりする。
それでも正しいこと、大事なことは譲れないし、し続ける。


自分の心の片隅にある独占欲や支配欲

大好きなひとを正論で縛りつける。

他のだれでもない、大事なひとに対しては、自分が言ったとおりにしてほしいと思う。

「正しい」ことを語る限り、そのこと自体間違っていないように思えますが、相手を正論や倫理観だけで縛り付けることは、本来そこに愛情があるならば、しなくてもいいはずのことです。

でも、愛しているのだから、大事に思っているのだから、道を踏み外したり、間違った方向に行ってしまわないよう、見守り、指導してあげたいのでしょう。

あるいは、思い通りにしてもらえないと癇癪を起したり、機嫌を損ねたりするかもしれません。

これは立場が上の人から下の人に対してだけではなく、子から親に、庇護されている側から、守ってくれる人に対しても湧き上がることがあります。

大人ばっかりの中で最初ちやほやされていたのに、だんだん相手にされなくなった子供は、駄々をこねたりするかもしれません。

大事なひとには、いつも自分の近くにいてほしい。
私を見て、私をかまって!という悲痛な声が聞こえるようです。

 

悪気なく、無意識に働く束縛は、困ったちゃん

こうした気持ちは、誰に対しても抱くのではありません。もし正義に生きるなら、「大事な誰か」だけでなく、多くのひとに訴えるでしょう。

でも、この場合は、「大事な誰か」その人だけに感じる気持ちです。

大好きだから。
大事だから。
失いたくないひとだから。

深く愛情を傾けるのです。

でもその愛情が過剰で見返りを求める愛であるならば、それを向けられた相手がいらないと思うのは当然です。

そうしたとき、相手の顔色をうかがったり、ちょっとした落胆を感じるかもしれません。それでもめげずに、また相手に執着してしまう。

しかも自分でそれが間違ったこととは思えなかったり、そうしているとさえ気づかないことも多いのです。

 

手放し見守る、見返りを求めない愛

自分の中の無意識の独占欲、束縛の愛情をなだめるには、純粋な青い色の花「チコリー」があります。

縛っても、放任しても、愛する気持ちに変わりはないはずです。あるいは、手放すことで見えてくることがあるかもしれません。

今迄、窮屈にそこしか見えなかった問題が、広いスコープで眺めることで、別の良さや解決策が見えてくることでしょう。それによって、また、相手に対する安心や信頼も思い出されます。

チコリーの愛は本質的な愛、無償の愛なのです。

太陽に焦がれる青い花

チコリーは、1930年秋に、アグリモニーと同じくクローマーの隣町、イーストラントンで発見されました。

7月から9月に花を咲かせながら、細い茎を1m以上になるまで伸ばしていきます。多くのチコリーが群れて生育して、小さな木立を形成するかのようです。葉と枝のつけねに直径2cmくらいの花を2-3個つけます。

チコリーは、朝の6時から11時くらいだけ花開きますが、雲がかかると開かない上に、午後は頑なに蕾のままで、また翌朝になると咲いてきます。

夏至を過ぎ、日が長くなってから開花し、秋分の頃に最後の花のときを迎えますが、その生涯は常に太陽に向かうことで全うします。

地上部は高くなりますが、地下の根も相当深く広く張っています。だから細い茎でも折れず、もし倒れても、また上へ上へ向かいます。

昆虫がかすかに触れただけで、たちまち花糸を縮めるので、花も萎んでしまいます。レメディにするときも、咲きたての花を取りたいので、この花は注意深く採取します。手の熱が伝わるだけで、しおれたり、エネルギーを失います。

チコリーは、愛し、愛される、太陽と相思相愛の仲。そこには何の作為も無理強いもありません。自然の中でその摂理に従っているだけで、太陽の愛情を一身に受けることができるのです。

チコリーの青は、マリア様のマントの色。

全てを包み、全てを受け入れる、寛容さと思慮深さを表しているようです。普遍的な手放しの愛は、心のありかも穏やかにしてくれることでしょう。

そんなとき、チコリーを2滴飲んで、過剰になり過ぎた愛情を、あるべき姿に戻すことができたら、きっともっと楽に生きられることでしょう。



バッチ博士の言葉

子供や親戚や友達のことを過度に気にかけ、常に何かしてあげられないかと探しまわり、そのことで頭が一杯になっています。自分が悪いとみなしていることを絶えず正そうとし、それを生き甲斐にしています。そして、自分の気にかけている人たちは自分の近くにいて欲しいと願います。

『トウェルブヒーラーとその他のレメディ』エドワード・バッチ(1936)
『バッチ博士の遺産』所収(2012)バッチホリスティック研究会・訳・刊

京ヶ島弥生 のプロフィール

京ヶ島弥生

心身の健康のために、自分で自分のこころ、感情の状態に気づき、セルフヘルプでバランスを整えることができる「フラワーエッセンス/バッチフラワーレメディ」の活用を伝え続けている、海と空のブルーが大好きな自然療法家。


東京は下町生まれ、1998年に鎌倉・七里ガ浜に移住。

2001年から、アロマセラピー、バッチフラワーレメディ、ハーブセラピー、ホリスティックヘルスなどの自然療法分野で、講座やイベントの開催、個人から企業までのコンサルテーション、商品の販売など、東京、横浜、鎌倉で場所・ジャンルを問わず活動。


東京でのハードなビジネスマン生活20年、大学教員15年、ワーキングマザー30年、介護施設での高齢者ケア、災害ボランティアなども経験。

こうしたバックグラウンドにより、子供から大人、ご高齢の方、男性女性問わず、どなたのご相談にもお応えできるプロフェッショナルなフラワー&アロマセラピスト。



○バッチ財団登録プラクティショナー・バッチ国際教育プログラム認定講師

○IFPA(国際プロフェッショナルアロマセラピスト連盟)認定アロマセラピスト

○日本ホリスティック医学協会認定生活習慣病予防指導士・ホリスティックヘルス塾インストラクター
○
有限会社フロスヴィータ 代表取締役


ホームページ→ http://www.flosvita.co.jp
Facebook→ https://www.facebook.com/flosvita/


おすすめ関連記事

2019 12/12

アーユルヴェーダで到達する人生のあり方とは?『アーユルヴェーダで手に入れる、ほんとうの健康と幸せ(連載第二回)』